ミュシャで楽しむリトグラフ

画家のアルフォンス・ミュシャ(1860-1939)は、アール・ヌーヴォーの巨匠です。
アール・ヌーヴォーとは、19世紀頃に花開いた芸術様式で「新しい芸術」という意味です。
植物や動物などをモチーフにして、自由な曲線が美しい様式です。
ミュシャは、1885年「ジスモンダ」という劇の広告ポスターで一躍人気者になりました。
この絵に描かれている女性は、ジスモンダ役の舞台女優サラ・ベルナールです。
広告ポスターや装飾パネル、カレンダーなど、ミュシャ作品の多くがリトグラフで作られています。
リトグラフとは石版画です。
油性の画材で絵を描いて刷る技法で、複数生産が可能です。
有名画家の肉筆作品は高額で手が出ませんが、複数生産により多くの人々が芸術を楽しめるようになりました。
現代は、アルミ版を使ったリトグラフが主流になっています。
ミュシャの代表作として「ジスモンダ」「四季」などがあります。
とくに「四季」では、日本美術の影響もあるのでそれを見つけるのも楽しいでしょう。
春、夏、秋、冬、それぞれの絵に女性が描かれています。
「冬」の雪をかぶった木の表現は、日本美術の表現を取り入れています。
優しく繊細で上品なミュシャの作品は、現代も私たちを楽しませてくれています。

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